第6章

「どうしてそんなに確信できるの?」

だって、自分の体のことは自分が一番よくわかってるもの。いつ妊娠したのか、どこにいたのか、誰といたのかも。この子ができたのは新婚旅行中の温泉旅館で、拓也が一緒にいた時だってわかってる。その何か月も前から、良介は私の近くにいやしなかったんだから。

「私は馬鹿じゃないわ、良介。あなたもそうであるべきよ」

私はバーカウンターへ歩いた。お酒が飲みたいわけじゃない――どのみち飲めないのだから――ただ、動いて、考えて、どうしてこんなことになったのか整理する必要があった。

一番上の棚に、マッカラン18年のボトルがあった。良介が彼のお祖母様直伝の二日酔い止めを...

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