第8章
銃撃事件から三週間後、貴志はついに、黒石が始めたことに終止符を打てるだけの力を取り戻した。
黒い覆面パトカーから、警視庁の特別機動捜査隊が黒石昌弘の身柄を地検から拘置所へと移送するのを見ていた。私たちを恐怖に陥れたあの男は、今や見る影もなく哀れだった――倉庫で見せた傲慢な態度は完全に消え失せ、敗北と絶望に取って代わられていた。
「俺の人生をめちゃくちゃにしやがって!」護送車に押し込まれながら、黒石が叫んだ。「芦田雅人が、俺からすべてを奪ったんだ!」
貴志が私の手をそっと握る。だが、その声は氷のように冷たかった。
「お前の暴走はここまでだ、黒石」
「黒石昌弘容疑者」と、捜査一課...
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