第11章危険な元夫

レイラ視点

脳がショートしたみたいになって、一瞬、シャンパンが思った以上に効いてしまったのかと疑った。だが違う。これは現実だ。

この男を避け続けて六年。慎重に築き上げた壁と、積み重ねた仕事の成果。その六年が、たった十二時間のうちに崩れかけている。病院で息子に遭遇し、そして今、本人とここで鉢合わせだなんて。宇宙の悪趣味な冗談にもほどがある。

私は素早く彼を観察し、歳月がもたらした微かな変化を拾い上げた。以前はなかった目尻の薄い皺。少しだけ強ばった口元。どこか、いっそう手強く見える。若さの柔らかさは消え、権力と経験の鋭い輪郭に置き換わっていた。

セロンは酔っ払いの男の手首を掴んだまま、冷た...

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