第111章私を利用してください

レイラ視点

神さまだけが知っている。六年前、私はどれほど切実にその言葉を聞きたかったか。けれど、あの頃は不可能だった。毎日、私を最も不安にさせていたのは子どもを授かろうとすること……あらゆる手を尽くした。夫が家に帰ってきてくれるように、少しでも長く私のそばにいてくれるようにと願いながら。

だが結局、希望はすべて妄想に変わった。そして今、もう必要ないと思った頃になって、彼はこんなことを言う。

首筋に鈍い痛みが走り、私はテロンに近づきすぎていたのだと気づいた。慌てて身を引く。

「いま……噛んだ?」私はその箇所に手をやりながら尋ねた。

テロンの唇がわずかに弧を描いた。「ああ。さっき、おまえ...

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