第117話予期せぬ出会い

レイラ視点

スタッフのひとりが「救急箱が届きました」と告げるのが聞こえ、私はすぐに玄関へ受け取りに向かった。

入口へ近づくと、階段の下に灰色の作業服を着た背の高い男が立っているのが目に入った。作業服自体はそっけない造りなのに、彼の優れた体つきにぴたりと沿って、広い肩と引き締まった腰の線をくっきり浮かび上がらせている。

最近のスタッフは、みんなこんなに鍛えているのだろうか。

顔へ視線を上げた瞬間、私は息を呑んだ。口元はマスクで覆われているのに、その目――見間違えようのないその目が、こちらを見返していたのだ。あまりの衝撃に、残りの段を踏み外して転げ落ちそうになった。

足を滑らせた私に、ス...

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