第196話私はここにいるよ

セロン視点

俺は小さくうなずき、レイラに導かれるまま施設の奥へ進んだ。いくつものセキュリティチェックポイントを通過するたび、求められる生体認証が変わる――指紋、網膜スキャン、音声認証。

周囲を見回すと、廊下は不気味なほど静まり返っていた。研究センターには、人の気配がまるでない。

「みんなには出てもらったの」俺の視線に気づいたレイラが言った。「使えるのは午前中だけよ」

俺は小さく笑って彼女に向き直る。「午前中もあれば十分だ」

レイラはうなずいた。「いいわ。じゃあ、始めましょう」

メイン端末の椅子に腰を下ろし、作業を開始する。システムの構造にアクセスすると、指が鍵盤の上を疾走した。

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