第213章拘束されていない

セロン視点

耳を疑い、全身が凍りついた。「今、なんて言った?」

俺の目の奥――かろうじて繋ぎ留めている飢えの激しさに気づいたのだろう、彼女の表情が揺れた。不安が一瞬よぎり、まるでその申し出をもう後悔し始めたみたいに。

だが、言い直しなど待たない。大股で二歩、俺は彼女の前に出て、そのまま腕の中へすくい上げた。

「セロン! 下ろして!」彼女が叫ぶ。声に驚きが滲んでいた。

俺は彼女の耳たぶに甘く噛みつき、声を低く掠れた唸りに落とす。「シャワーを浴びに行く! それと――お前が手伝うんだ」

腕にしっかり抱えたまま階段を上がる。ほどなく浴室に、勢いよく流れる水音が満ちた。

狭い空間はあっとい...

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