第222章彼は去る

レイラ視点

私は全体重をセロンにもたせかけ、指一本動かしたくなかった。シャワー室での一件のあと、体の芯からすっかり力が抜けていたのだ。彼は両腕で私を抱きとめ、疲れ切った体を支えてくれる。私はそのまま、抱かれるままに身を預けた。

セロンは驚いた顔になった。「てっきり、君のお父さんが誰かを寄こして俺をつまみ出すと思ってた……」

目をきらきらさせて身を乗り出す。「じゃあさ、今夜、君のところに泊まっていい?」

父はたぶん母に捕まって足止めされているのだろう。でも、セロンにこんなに簡単に得をさせるのも癪だった。「たぶん父は、もう遅いから今さらだって思ってるだけよ。朝になってからあなたを片づけるつ...

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