第229話仕方がない

レイラ視点

ベッドサイドのテーブルは、血のついた綿棒や包帯、医療器具で埋め尽くされていた。自分の顔から血の気が引いたのだろう、セロンの表情がすぐに心配そうにやわらいだ。

彼は負傷した腕に触れないよう気をつけながら、片腕で私を抱き寄せた。「見た目ほどひどくない。かすり傷だ。動きが間に合った。写真、見るか?」

治療前の傷を写した、やけに事務的な画像を彼はスマホで見せてきた。上腕の上のほうを深くえぐるように走った擦過傷――命に関わるものではないが、痛みは相当で、縫合が必要なことは明らかだった。

私はスマホを置き、両腕で彼を抱き締めた。胸に顔をうずめると、規則正しい鼓動が耳に届く。「怖かった…...

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