第267話あなたはそれに値するから

レイラ視点

翌日、セロンは会社へ行かなかった。私と一緒に家にいて、ドレスの配送を待ってくれた。係の人たちがガラガラと音を立てながら、次々とラックを運び込んでくるのを見た瞬間、目の前に広がる圧倒的な数に、私は思わず呆然と見入ってしまった。

「……これ、ちょっと多すぎない?」私は尋ねた。

そしてついセロンを見上げる。まさか、ここに並ぶ全部を試着しろってこと?――そんな無言の問いが、目に滲んだ。

「全部着なくていい。気に入ったのを一着選べばいい」耳元に落ちる彼の声は、やわらかく温かかった。

私はほっとして、彼の胸に体を預けた。「よかった……」手を取り、子どもみたいに軽く引っ張ってみる。気持...

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