第270章スターリングファミリーへようこそ

レイラ視点

涙がこぼれ落ちそうになったそのとき、司会者が再び声を張り上げた。「皆さま、新郎予定の方の愛、もう存分に感じていらっしゃることでしょう。さあ、それでは――お待ちかねの瞬間へ移りましょう!スターリング様が、美しいリード様にプロポーズなさるところをご覧ください!準備はよろしいですか?」

招待客たちは声をそろえて叫びはじめた。「キス!キス!キス!」会場の熱気は痺れるほどで、誰もが息をひそめて待ち望む気配が、空気そのものを震わせているみたいだった。

ピアノに寄り添うようにヴァイオリンが甘やかな旋律を重ね、完璧なロマンティックな空気をつくり出す。音楽は私たちの周囲でふくらみ、どこか聞き...

ログインして続きを読む