第279章:失われた時間の埋め戻し

レイラ視点

私はうなずき、瞳をきらきらと輝かせた。「うん。逃してきたこと、全部埋め合わせよう。家で映画を見るんじゃなくて、普通のカップルみたいに、ちゃんと映画館に行くの。映画のあとで夕飯を食べて、それから湾沿いを手をつないで歩いて……ただおしゃべりして……」

何年も離れていたせいで奪われてきた、ごく当たり前の楽しみを取り戻すのだと思うと、声には自然と弾む熱が乗った。私たちが“普通の恋人”として過ごす場面が、次々と頭に浮かぶ。

「君の好きにしたらいい」テロンが答えた。低く深い声は甘やかすようで、どこまでも寛大だった。嵐の太平洋みたいな、濃い青灰色の瞳が、世界に私しかいないみたいに私だけを捉...

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