第284話幸せと安心に満ちた心

レイラ視点

鼓動が早まり、頬に熱がじわりと満ちて、思わず笑みがこぼれた。なるほど、ソフィアが言っていた「特別な用事」とはこれのことだったのだ。そして、ここ数日セロンが妙に忙しかった理由も。

私は、こちらへ歩いてくるセロンを見つめた。期待と愛情をたたえた瞳で、まっすぐ私に向かってくる。

目の前まで来ると、仕立てのいいスーツに身を包んだ長身の彼が、凛として立っていた。改まった装いは、いつにも増して彼を格好よく見せる。

セロンは手を差し出し、やわらかな光を宿した目で言った。「入る準備はいい? 驚かせて悪かった」

笑ってしまうのと呆れるのが同時に来た。人生の大事な出来事だというのに、事前に相...

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