第35章露出した傷跡

レイラ視点

ヴィクトリアはテロンのほうへ向き直るなり、驚愕に顔を歪めた。「どうしてあの子を庇うの?」鋭い声には、信じられないという気配が色濃く滲んでいた。

私はそのやり取りを、どこか現実感のない距離から眺めていた。

いちばん意外だったのは、テロンの反応だ。かつてのように彼女を宥めたりはしない。むしろ声には刃があった。

「彼女はもうスターリングじゃない。どうして母さんが首を突っ込む?」言葉は母親に向けられていたのに、それでも私の胸を容赦なく切り裂いた。もうスターリングじゃない。まるで、私が本当にそうだったことなど一度でもあったかのように。

ヴィクトリアは口を開けては閉じる。「ただ黙って...

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