第56話偽りの相続人

レイラ視点

嘲るような笑い声のほうへ振り向くと、近づいてくる一団に見覚えがあった。クロエとその取り巻きだ。オークション会場のフロアを横切ってこちらへ向かってくる顔つきは、侮蔑と意地の悪い愉悦が入り混じっている。

「『偽の令嬢』とは、どういう意味です?」さっきまで私と話していた紳士が問いただした。眉間に皺を寄せ、クロエと私を見比べている。つい先ほどまで目に宿っていた温かさは、見る間に冷えきった。

クロエの隣にいた女が、顎を尊大に突き上げて一歩前に出た。「別に嘘なんて言ってないわ。この女は詐欺師よ。リード家の令嬢だと偽っていたんだから。今度はどういう手を使ったのか、この特別なオークションにま...

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