第58章公の場で婚約を破る

レイラ視点

「メーガン、もういいでしょう! この話はここで終わりにしましょう」クロエが口を挟んだ。作り物の優しさがねっとりと滲む声だった。彼女は一歩前に出て、セロンが言葉を発する前に巧みに遮ってみせる。「過去を持ち出して、何の意味があるの? もう全部、終わったことじゃない」

その芝居がかった間の取り方には、感心せざるを得なかった。彼女の立ち位置――ほんの少し丸めた肩、伏せた目元に、痛みを映す量をきっちり計算した表情――見事なものだ。六年という時間は、演技を磨くには十分すぎるほどだった。

クロエはセロンへ向き直り、表情を甘く穏当なものへと作り替える。「セロン、法務の人たちに連絡する件だけど...

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