第78話彼女に駆け寄り続けて

レイラ視点

私は慌てて身を引き、彼とのあいだに距離を作った。「わかった、ありがとう。あとは自分でできるから」胸の奥が理由もなくふわりと騒ぐのを押し込み、できるだけ平静な声を保って言った。

半分だけ留められたストラップを彼の手から受け取ると、指先がうっかり彼の指に触れた。私は顔を伏せ、わざと視線を合わせないまま、残りのストラップを留めることに神経を集中させた。

最後の一本をきちんと留め終えたとき、私はほっと小さく息を吐いた。表情を整えてから、彼のほうへ向き直る。

「これで大丈夫」そう言って、更衣室を出ていく彼のあとに続いた。

外へ出た瞬間、少し離れたところに小さな人影が二つ見えた。こち...

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