第207章 職権乱用

藤原深の表情が瞬時に凍りつき、その瞳に危険な色が宿った。「何と言った?」

田中夫人は怯むことなく睨み返し、顎をしゃくって言い放つ。「小金持ちだからって怖がるとでも思った? 誰の家だってお金くらいあるのよ!」

彼女の夫には金だけでなく、権力まであるのだ。

彼女は田中海鳥の腕を掴んで揺さぶり、金切り声を上げた。「あなた、何か言ってやってよ! 私がこんなに殴られたのを見てないの? 私と息子がこんなにいじめられてるのに、黙って見てるつもり!?」

「早く電話して! 人を呼んでこいつらを全員警察に突き出して、牢屋にぶち込んでやるんだから!」

その言葉に、周囲の人間は田中海鳥の身を案じて冷や汗を...

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