第210章 死ぬと予知する

松本爺さんは呆気にとられ、驚いたように尋ねた。「この金庫に見覚えがあるのか?」

林田ククは頷いた。「はい。これ、私の祖父の金庫です。ほら、ここを見てください。私が小さい頃、小刀で悪戯した傷跡が残ってる」

彼女は松本爺さんの体を支えて数歩移動させると、金庫の左側、金の縁取りが施された部分を指差した。

その瞬間、松本爺さんは目頭を熱くし、声を詰まらせた。「どうやら、息子が言っていた人物というのは、あんたのことだったようじゃな」

「え? 松本のおじさんが、ですか?」林田ククは呆気にとられた。

松本爺さんは深く頷く。「ああ。あの事故が起きる数日前、あいつがわしにこれを託していったんじゃ。『...

ログインして続きを読む