第218章 彼に平手打ち

朝日明美は派手に尻餅をつき、思わず悲鳴を上げた。襲い来る痛みに、顔をしかめて歯を食いしばる。

神崎遠は、藤原深たちにカクテルを振る舞おうと戻りかけた矢先だった。不意に聞こえた物音に足を止め、表情を一瞬で曇らせる。彼は鋭い声で言い放った。

「誰だ? 出てこい!」

観葉植物の陰に人影があるのは見えていた。だが、怒鳴っても相手が出てくる気配はない。

神崎遠は不機嫌さを隠そうともせず、大股でその場所へ近づいていく。

一方、朝日明美はまだお尻の痛みが引かずにいたが、神崎遠の怒声を聞いて血の気が引いた。ここで見つかれば、林田ククにまで迷惑がかかるかもしれない。

痛みをこらえて立ち上がり、逃げ...

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