第239章 本性を現す

夏川薫は顔を曇らせ、林田山の腕をぎゅっとつねり上げた。その態度は明白だった。

絶対に、林田ククに自分たちの関係を暴露させるわけにはいかない!

苦労を重ねてようやく今の地位を築き上げ、世間から「やり手の女社長」と認められるまでになったのだ。「愛人」などという汚名を着せられることだけは、断じて許されなかった。

第一、林田山と最初に関係を持った時、彼が既婚者だとは知らなかったのだから。

事実を知った後も、林田山は「水原祥子への愛情などもうない」と言い張り、望むなら離婚してもいいとさえ嘯いていた。

当時、多額の遺産を相続したばかりだった夏川薫の資産を狙う輩は多かった。当然、彼女は林田山と安...

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