第260章 後ろ盾

一行が葬儀場の中に足を踏み入れると、藤原家の人間が到着したことに気づいた周囲の人々は、潮が引くようにして道を空けた。

藤原の祖父は焼香を済ませ、礼をしてから、林田ククの元へと歩み寄った。

ほんの少し会わなかった間に、林田ククはひと回りも痩せてしまっていた。その体はあまりに華奢で、風が吹けば今にも飛ばされてしまいそうだ。

祖父はそんな彼女の姿を見るなり、胸を締めつけられる思いがした。彼は枯れ木のように細くなったククの手のひらをそっと握りしめ、痛ましげに声をかけた。

「ククちゃん、すまなかった。来るのが遅くなって……。この数日、さぞ辛かっただろう」

麻痺していたはずの林田ククの心が、そ...

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