第276章 ぶっ壊せ!

扉が壁に叩きつけられ、「バン!」と凄まじい轟音が響き渡る。メイクルームで作業をしていた者たちは、一斉に肩を震わせた。

林田が振り返ると、入り口には藤原雲楽が男二人と女一人を引き連れて立っていた。

二人の男は金属バットを手にし、髪を派手な赤色に染め上げている。身につけている服も靴もハイブランドの品だが、全身から滲み出るチンピラ特有の安っぽい雰囲気は隠しようがなかった。

藤原雲楽の隣に立つ女――林田は二秒ほど記憶を巡らせ、ようやく思い出した。あれは、石川遥ではないか?

雲楽は彼女のことを蔑んでいなかったか? なぜつるんでいる?

藤原雲楽は我が物顔で踏み込んでくると、林田の鼻先に指を突き...

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