第290章 等価交換

その時、二階から足音が聞こえ、それに伴って澄んだ女の声が響いた。

「何が好きなの?」

川崎玲奈は綿百パーセントの白いパジャマ姿で、髪を無造作に肩へ流していた。完全なすっぴん状態ではあるものの、顔立ちは整っており、なかなかの目を引く美人である。

彼女はスリッパをパタパタと鳴らしながら階段を降り、ぱっちりとした大きな目で川崎務と川崎司光を興味津々に見つめた。

「お父さん、お兄ちゃん、何の話をしてるの? すごく楽しそうね」

川崎司光は顔を上げて妹を見やり、言葉を濁した。

「なんでもないよ。お前の絵はもう仕上がったのか?」

「まだ。ちょっとお腹が空いちゃって、何か食べるものを探しに降り...

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