第310章 藤原深の金を使う?

藤原の祖父が無事だと知り、林田喬安はほっと胸をなでおろした。しかし、こんな馬鹿げた理由で呼び戻されたのかと思うと、なんだかおかしくもあった。

すっかり肩を落としているお爺様を見て、彼女は慰めるように声をかけた。

「もう少し待ってみましょうよ。きっと釣れますから」

お爺様は彼女を振り返り、にこりと笑った。

「ああ、お前さんは福を呼ぶからな。お前さんが来てくれたんだ、次はきっと大物が釣れるぞ」

その言葉に、林田喬安は思わずふき出した。

「お爺様ったら、大げさですよ。わたしの運なんてそんなに良くありませんから」

そう言い終わるか終わらないかのうちに、釣り糸がぴくっと動いた。

「来た...

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