第328章 彼女を連れて

先日、神崎遠は藤原深に入れ知恵をした。事あるごとに林田ククへ花を贈れと言うのだ。花やジュエリーを喜ばない女などいない、と。

グローバル会議を終えたばかりの藤原深が、林田ククに贈る花を見繕っていたちょうどその時。田中申が血相を変えて、ノックもそこそこに部屋へ飛び込んできた。

「藤原社長、大変です、問題が起きました!」

藤原深は顔を上げ、冷ややかな視線を向けた。

「どうした」

田中申はタブレットを藤原深の目の前に差し出した。

「奥様が今朝、林田のお祖母様に代わって林田山と裁判で争われました。さらに、奥様があのお祖母様に引き取られた孤児だったことが暴露され、現在ネット上はその生い立ちに...

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