第329章 強引なキス

朝日明美はそう簡単に騙されるような女ではない。彼女は神崎遠の手を勢いよく振り払った。

「行かないってば! いい加減にして……ちょっと、引っ張らないでよ、離して!」

明美が言い終わるより早く、神崎は彼女の腕を引いて強引にその体を抱き寄せ、そのままエレベーターの中へと引きずり込んだ。

林田ククは二秒ほど呆然としてからようやく我に返り、慌てて止めに入ろうとしたが、その腕を藤原深に掴まれた。

力任せに二度ほど振りほどこうとしたが叶わず、彼女は彼を睨みつけ、歯を食いしばって言った。

「何するの? 離して!」

藤原深は手を離さないまま、少し考えてから慰めるように言った。

「心配するな。神崎...

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