第331章 会いたい

藤原深は林田ククが次の瞬間に気が変わるのを恐れるかのように、勢いよく立ち上がった。

長くしゃがみすぎて足が痺れていることを忘れていたため、急な動作でバランスを崩し、あわや横に倒れそうになった。

林田ククが無意識に手を伸ばして支えようとすると、藤原深も素早くその手を掴んだ。体が前へのめり込み、そのまま林田ククをドアに押し付ける形になった。いわゆる壁ドンの体勢であり、ひどく艶めかしい空気が漂う。

二人とも一瞬呆然とした。すると、そばにいたおばさんがたまらずにからかってきた。

「若い子はお盛んねえ。でも、そういうのはドアを閉めてからにした方がいいわよ」

我に返った林田ククは、慌てて藤原深...

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