第344章 一番大切なもの

林田ククは彼女をちらりと見て、心の中に違和感がよぎった。

そもそも、川崎玲奈が一緒に書道をしようと提案してきた時から、どうもおかしいと思っていた。まるでこの機に乗じて自分を貶めようとしているような気がしたのだ。

しかし、川崎玲奈が「良いことは重なるもの」と理由をつけたため、それ以上は深く考えなかった。だが今、すっかり不機嫌そうにしている彼女の姿を見て、林田ククはさらに奇妙に感じた。

川崎玲奈は自分に勝てなかったから機嫌を損ねているようだ。

林田ククは眉をひそめた。どうも考えすぎのような気がする。彼女と川崎玲奈の間に確執などないし、むしろ彼女の命を救ったことすらあるのだ。自分を目の敵に...

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