第360章 彼を迎え

林田ククは頷いて応じ、さらに二、三言葉を交わした。その途中で坂本栄一が電話を取り、急いでその場を離れなければならない様子だった。

川崎司光は彼を少し待たせ、林田ククに言った。

「会社でまだ処理する件があるから、お先に失礼するよ。ゆっくり片付けてくれ。何かあったら電話して」

「はい」

林田ククは彼らをエレベーターホールまで見送り、部屋へ戻った。

引越し業者のスタッフも、ちょうど荷物の配置を終えたところで彼女に尋ねた。

「林田さん、どこか気になるところはございませんか? あれば手直しいたしますが」

林田ククは部屋をぐるりと見渡した。プロのスタッフによる整理整頓は完璧で、自分なら丸一...

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