第383章 暗闇が怖い

電話を切ってから三分も経たないうちに、葉山社長が肩で息をしながら駆けつけた。藤原深の姿を認めるや否や、媚びた笑みに切り替える。

「藤原社長、何かございましたか。わざわざお越しいただかなくても、こちらで――」

藤原深は唇を固く結び、何も言わない。感情だけが、顔にくっきりと出ていた。

葉山社長はそれ以上踏み込むのをやめ、愛想笑いのまま扉へ手を伸ばす。

さっき通せんぼしてきた店員はまだ迷いがあるのか、入口に立ったまま動けずにいた。言いかけては飲み込み、視線が泳ぐ。

葉山社長がその肩を乱暴に押しのける。眉間に皺を寄せ、低い声で怒鳴った。

「さっさと消えろ!」

だが藤原深が先に口を挟み、...

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