第388章 お見合い?

林田ククは目を開け、眠気が少し引いた。「今、家に帰る途中」

そう言いながら、視界の端で佐藤時言をちらりと窺ってしまう。なぜだか、ほんの少しだけ後ろめたい。

田中申は会話を切り上げるどころか、重ねて尋ねてきた。「どうやってお帰りになられたんですか?」

林田ククが答えるより先に、佐藤時言が淡々と口を挟む。

「俺が送った」

その一言で、電話の向こうもこちらも、ふっと静まり返った。

林田ククは唇を結び、反射的に音量を下げる。腹をくくって田中申に正直に言った。

「うん。時言がちょうど同じ方向だったから」

受話口に一瞬、ジジッと電流音が走ったあと——藤原深の苛立ち混じりの声が飛んできた。...

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