第393章 口論

神崎遠は心臓がどくんと跳ね、慌てて上体を起こすと、作り笑いで言い訳した。

「ちが……誤解だって……」

遮ったのは朝日明美だった。

「誤解? ええ、誤解してたわ。ほんとに夜食が食べたいんだと思って、餓死でもされたら困るから急いで来てあげたのに」

彼女は持ってきた熱い湯を、ドンッと入口脇のテーブルへ置く。振り返りもせず、そのままきびすを返した。

その瞬間、神崎遠は本気で焦った。跳ね起きて、靴を履く暇もない。裸足のまま床を踏みしめる。

廊下へ飛び出した途端、ふわりと眩暈が襲った。体勢を崩してドア枠に肩をぶつけ、足の小指が、分厚い木の角へゴンッと直撃する。

痛みなんて構っていられない。...

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