第422章 小細工はやめろ

林田ククの胸の内は、ぐちゃぐちゃだった。

しかも、向こうから青山静の声が聞こえてくる。苛立ちを隠しもしない調子だ。

「せっかくお見合いしてるのに、なんでこんなに面倒ばっかりなの。ここ、ダメね」

お見合い……藤原深と、川崎玲奈?

じゃあ、藤原深はどうして「仕事だ」なんて嘘をついたの。

半小时前まで、藤原深がちゃんと食べてるか本気で心配していた自分が、滑稽でしかなくて。林田ククは自嘲気味に、ふっと笑った。

ほんと、わたしって馬鹿。

顔の温度が、さらに下がる。

その変化を藤原深は鋭く拾った。不安が胸を刺し、説明しようと一歩踏み出す。だが視線を動かした瞬間、佐藤時言が親しげに彼女へ寄...

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