第461章 通話でお祝い

藤原深はまぶたを重たげに落とし、手をひらりと振って田中申に合図した。窓を上げろ、ということだ。低い声で言う。

「いい。あいつは一度、痛い目を見たほうがいい」

長年の兄妹として情がないはずがない。だが、胸が痛んだところで何も変わらない。

田中申は察し、ハンドルを切ってその場を離れた。

浅水湾が近づいたころ、藤原深のスマホがぶるっと震えた。林田ククからのメッセージ。

神崎社長と直接、開機式の会場へ。

相談ではない。一方的な通達だ。

藤原深は指先を動かし、理由を尋ねかけて――ぐっと飲み込んだ。

林田ククは、あれこれ詮索されるのを嫌う。

だから返したのは、短く一言だけ。

了解。

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