第466章 悪知恵

神崎遠は肩をすくめ、たいして気にも留めないまま、川崎司光が立ち去ると自分も踵を返して車内へ戻った。

藤原深は眉をひそめたが、降りろとは言わなかった。

さっき戻ってきたとき、神崎遠が川崎司光と話しているのを確かに見ていたからだ。

神崎遠が席に落ち着くのを待って、藤原深が低く問いかける。

「さっき、何を話してた」

「ずいぶん早いな。もっと我慢強いと思ってたけど」

神崎遠は、全部お見通しとでも言いたげな笑みを浮かべ、得意げに脚をぶらぶらさせた。

「なに、今さら俺を下ろさないの?」

藤原深は顔を向け、じっと睨む。

「神崎遠。別に、どうしても知りたいわけじゃない」

声音には、露骨な...

ログインして続きを読む