第476章 保護

林田ククは、さっきの藤原深の優しさの余韻にまだ浸っていた。胸は忙しなく跳ね、理由のわからない安心感が全身を満たしていく。

車が滑らかに走り出すと、藤原深がふいに、そっと口を開いた。

「ククちゃん。俺に加点できないなら……ひとつ、約束してくれないか」

低く、柔らかい声。チェロみたいに耳をくすぐる。

車内はもともと薄暗い。カーステレオから流れる曲も、上品で甘い。空気に促されるように、林田ククは尋ねた。

「なに?」

藤原深は大きな決心をしたみたいに、強引なくせに懇願する。

「俺と付き合わないなら……他のやつとも付き合うな」

あまりに身勝手で、理不尽な願い。

けれど林田ククは珍しく...

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