第478章 弁当

甘い菓子や軽食がテーブルいっぱいに並んでいるというのに、藤原深の表情はどこか乗り気ではなかった。

林田ククは彼の隣に腰を下ろし、熱っぽく紹介する。

「食べてみて。明美ってこういうの、ほんと上手なんだよ。たぶん、才能あるんだと思う」

「助監督なんてやってなかったら、ベーカリーだってきっと繁盛してたよね」

そう言いながら一切れ手に取り、藤原深の口元へ運ぶ。

藤原深は渋々と口を開け、もぐもぐと噛んだ。確かにうまい。だが、別の女を褒めるほどでもない。淡々と評する。

「うまい。でも、お前のほうがうまい」

林田ククは一文字たりとも信じない。菓子を頬張って、飲み込んでからようやく言った。

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