第489章 機会

写真の中の人物は小野美島によく似ていた。ただし背景だけが、どこか時代の匂いをまとっている。

小野美島は「どこかで見た顔だ」と思いながらページをめくり続け、ふと正体に気づいた。かつて国民的な知名度を誇った俳優――その人だ。

すべて見終えるのを待ってから、林田ククがようやく余裕ぶった口調で言う。

「見てのとおり。林田山の好きなタイプって、昔からずっと同じなの」

含みのある言い方に、小野美島の表情がわずかに強張った。

「……どういう意味ですか?」

「つまりね。林田山があなたに目をつけたのは、偶然とは限らないってこと」

林田ククはバッグからもう一冊の調査資料を取り出し、小野美島の前に置...

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