第496章 めまい

星川さんは、こちらの件がだいたい片づいたのを見ると、名残惜しそうにイヤリングを林田ククへ返した。返しながらも、ちゃっかりと言葉を添える。

「もし今後、手放すつもりになったら必ず連絡して。市場で唯一の値段、出すから」

林田ククはそのイヤリングを指先でそっと撫で、少し考え込むようにしてから口元をゆるめた。

「ありがとう。でも、たぶん売らない」

藤原深が彼女に贈ったものは、これだけではない。けれど彼女は、この不器用な男の気持ちだけは大事にしようと決めていた。

離婚する前は、藤原深も隔週どころか、忘れた頃にぽつぽつと何かを送ってきた。

あの人はいつだって平然としていて、プレゼントも大した...

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