第505章 仕事を失う

朝日明美は、脳がフリーズした。

この声――聞いた瞬間に分かる。さっきまで激しい、言葉にできない何かが起きていた声音だ。

「え……ええと……」朝日明美はなんとか人間らしい言葉をひねり出そうとしたが、噛んで噛んで噛みまくり、言語機能が完全に落ちた末に、ようやく出てきたのは――

「……体、大事にって」

「ツーツーツー」

向こうは容赦なく切った。

スマホを握ったまま、朝日明美の脳内だけが遅延したまま応答し続ける。

「なに? 言葉も出ないの?」神崎遠が面白がって、彼女の目の前でひらひら手を振った。いちいち考えるまでもない。さっき出たのが誰かなんて。

その動きで、朝日明美はようやく現実に...

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