第526章 選択

川崎司光の笑顔が、すっと消えた。畳みかけるように訊く。

「どうした?」

同時に、警戒する目が藤原深へ向いた。

林田ククは二人の間に視線を巡らせる。川崎司光と藤原深は昔から折り合いが悪い。司光がどれだけ自分に良くしてくれていても、自分のことを司光に話すわけにはいかなかった。

「藤原社長と、少し仕事の話があるんです」

「仕事? 何の? 俺は社長だぞ、聞く権利ぐらいあるだろ」川崎司光が即座に威圧する。

そこへ藤原深が口を挟んだ。

「お前に関係あるのか? お前は彼女の社長でも、父親じゃないだろ」

一気に空気が尖る。

川崎司光も一歩も引かない。

「それでも、奥さんを丸腰で追い出すよ...

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