第530章 帰れる家

藤原深はさっと表情を引き締め、松本光輝の腕を引いて隅へ連れていった。わざと林田ククのいるほうを避け、低い声で訊く。

「具体的には、どんなやつだ?」

松本光輝は記憶をたどるように眉を寄せた。

「痩せてて背が高くて、眼鏡。マスクと帽子もしてたから顔はよく分かんねぇ。でも、なんか……すげぇ疲れてる感じでさ。体つきも若い人っていうより、もうちょい上っていうか」

「本人はこっちで商売しに来たって言って、じいちゃんに『何が儲かる』とか聞いてたんだ。けど、何を話しても最後は姉貴の話に持ってくんだよ。姉貴の好みとか、身の上とか……前からこの辺の人だったのか、とか」

「じいちゃんも警戒して『なんでそ...

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