第532章 真実

林田ククは全身をびくりと震わせ、ほとんど瞬時に蕩けた意識から引き戻された。両手で彼の頭をぐいっと押しやり、距離を作って無言で睨みつける。

「……腹、減ってんの?」

情に流されたのかと思ったのに、ただ身体の食い意地が騒いだだけ。そう思うと急に冷めて、彼を押しのけて立ち上がった。

「まだ足りないなら、田中申に頼んで手配させるけど」

「……お前の飯、持ってこい」

さっきまで、彼の仕草に心臓が跳ねた自分が情けなくて、少し恥ずかしかった。

藤原深は酒で頭が鈍っているのに、本能だけはしつこい。離れようとする林田ククの腕を掴んで、離すまいとする。

「飯はいらねえ。お前がいい」

力はほとんど...

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