第538章 桜

林田ククが仕事を上がる頃、佐藤時言がわざわざ手配したスタイリストは、すでに一時間以上も待たされていた。

スタイリストは林田ククを見るなり、思わず肌の綺麗さと整った顔立ちを褒めちぎった。初対面のヘアメイクたちが、決まって同じ目をして同じ言葉を口にする――それとまるで変わらない。

手際は見事で、メイクは三十分で仕上がった。

鏡の中の自分を見て、林田ククは息をのむ。知り合いどころか、自分ですら見間違えそうだった。

くっきりした目鼻立ちを、卵形の輪郭がほどよく中和している。目尻の下に乗せられた泣きぼくろが決定打で、妖しさと清純さが同居する顔に一気に化けた。

この腕が毎日使えるなら、日替わり...

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