第559章 情深く

林田ククは、この年寄りと若造の空気がどこか噛み合っていないことにすぐ気づいた。けれど自分が口を挟める話でもない。だから適当な口実を作る。

「お茶、淹れてくるね」

ククがキッチンに入った、その直後。朝日明美がひょいとついてきて、興味津々の顔を覗き込んだ。

「わたし、帰ってくるタイミング悪かった? いいところ邪魔しちゃった?」

さっきの出来事を思い出して、ククの頬がかぁっと熱くなる。だが意地で引き下がらない。

「別に。ちゃんと仕事の撮影をしてただけ。ほんとは別の役者さんと組む予定だったけど、彼がやりやすかっただけ」

その必死の言い訳に、明美は一ミリも信じていない顔で、にやにやと目を細...

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