第560章 理想

川崎務を見送ったあとも、藤原深は険しい顔のままだった。さっきの川崎務の仏頂面、どう考えても俺とククちゃんに向けられていた気がする。あいつ、俺とククちゃんが親しげにしているのがよほど気に入らないらしい。

……やっぱり、川崎司光が裏で糸を引いてるに違いない。

林田ククが振り返って藤原深の不機嫌そうな顔を見て、くすっと笑った。

「なに、そんなに臨戦態勢? さっき、わたしがジャーヴィス三台も売ってあげたんだから、もうちょっと嬉しそうにしてよ」

さっき、会って食事をする段取りが決まったあとも、川崎務は帰ろうとせず、彼女を捕まえてあれこれ身の上話を聞き出してきた。内輪の話というほどでもないが、か...

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