第564章 姉弟

藤原深は口元をわずかにゆるめ、気分が少し晴れた。「俺が悪い。お嬢様を怒らせた」

数分して、ようやく返ってきたのは『早く寝なよ』の一言。

──よし、機嫌は直った。

林田ククは返信を打ち終えると、スマホを枕の下に放り投げた。自分がちょろすぎると後悔しつつ、でも口元が勝手に上がってしまう。さっきより少し安心して眠れそうだった。

田中申は藤原深の表情が和らいだのを見て、さっきの社員は運がなかったなと内心で肩をすくめる。そうして書類を一部抜き取り、彼の前に置いた。

「川崎社長の最近の動きです」

藤原深は問い返す前にそれを手に取り、ざっと目を通して眉をひそめた。「……なんだこれ。何を贈ってん...

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