第592章 寝返り

以前、林田ククは林田山が水原祥子と無事に離婚したと聞いて、正直首をかしげた。

だって水原祥子は「死んでも林田家で死ぬ。絶対にあいつの思い通りにはさせない」とまで言い切っていた。なのに、いつの間にか、何の騒ぎもなく離婚が成立している。

林田清の様子を見る限り、裏で相当動いたのだろう。でなければ、夏川薫とあそこまで「仲のいい母娘」に見えるはずがない。

林田清の周りには挨拶に来る男女が何人も集まっていて、その中に、ククの目に妙に見覚えのある男がいた。

目を細め、ぼんやり記憶を探る。――最近、林田清が付き合い始めた恋人。メディア会社の社長で、抱えているインフルエンサーも多い。

林田清のアカ...

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