第598章 非情さ

小野美島と夏川薫はしばらく言葉を失い、林田山がどんな「誤解」だと説明するのか、黙って待った。

だが林田山はうまく言葉を継げず、口ごもった末にようやく言う。

「今はそんな話をしてる場合じゃない。客が先だ」

二人の反応も見ず、ぶつぶつ言いながら先に立ち去っていった。

夏川薫が舌打ちし、小野美島を見ていっそう鼻を高くする。

「ねえ、あの態度であんたの味方になると思ってるの? バカ見ないで」

彼女にとって小野美島は、扱いやすい小娘にすぎない。

小野美島は冷ややかに夏川薫を見返した。さっきまでの弱々しさは欠片もない。唇の端を吊り上げ、嘲るように言う。

「夏川さん。そこまで自信満々なら、...

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